旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【北多摩郡保谷町】大字下保谷字東新田


【消滅した年】1967(昭和42)年
【現在の町名】保谷市東町→西東京市東町
【感想・雑記】23区を出たらそこには旧町名が広がっていました。西東京市保谷市田無市が合併して誕生したのは記憶に新しいと思いますが、もうその時点で「保谷市○○」「田無市○○」という旧町名が蠢いているわけですよ。平成の消滅ということもありますのでそりゃあもうその辺に生息しているわけですよ。目を瞑っていても見つかるレベルです。

そのイージーモードを前提として、その保谷市の住居表示実施前の旧町名と、保谷市以前の保谷町当時の旧町名というさらに2軸の旧町名が存在しているのです。こんなチートエリアがこれ程身近に存在していたなんて。23区では考えられないですよね。

今回の旧町名はその2軸の後者に該当する、保谷町当時の旧町名です。まだ郡ですよ郡。北多摩郡は、明治11年に「神奈川県」北多摩郡として誕生しました。明治26年に東京府の管轄になって以降、現在の東京都内にある「市」の付く自治体や世田谷区までを網羅するとても広い範囲に及んでいました。戦後、武蔵野町を皮切りに北多摩郡に属していた各自治体が「市」となったタイミングで相次いで離脱。昭和45年の村山市の消滅と武蔵村山市の誕生によってその幕を下ろしました。

保谷町も昭和42年に保谷市となったタイミングで北多摩郡を離脱していましたが、ここで疑問なのが、今回発見した旧町名は「保谷町」時代。消滅したのは昭和42年。保谷市誕生と同じなんですね。時系列的にどっちが先なのか日付単位で調べてみたらこれも同じ「1月1日」。てっきり「保谷町大字〜」→「保谷市大字〜」→「保谷市東町」なのかと思っていました。どうやら「保谷市大字〜」というワンクッションの余地もなく、市制と旧町名の消滅が同時に行われたっぽいですね。それであれば、前述した「保谷市の住居表示実施前の旧町名」という概念が若干揺らいでしまっています。

そのような疑問を解消するとともに、23区では乱獲しまくってすっかり枯渇してしまった旧町名を十二分にさがしまくるためにも、保谷市田無市にはいつか3泊5日くらいの合宿で旧町名を徹底調査してみたいなと思いました。マジで。

[発見日:平成30年10月27日]