旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【足立区】千住

【現在の町名】千住
【感想・雑記】足立区千住。北千住駅西側に縦長に位置するこの町名も実は旧町名なのです。現町名が足立区千住で、旧町名は足立区千住。いや、旧町名じゃないじゃない。旧町名をさがす会でしょ?千住町時代の千住町大字本町だったら旧町名って言っていいけど、足立区千住になってからは住居表示もしていないし町名変わっていないから旧町名じゃないよ。

 

いや、旧町名なんですよ!だって丁目数が旧と現では違うもの。

昨日の日本橋馬喰町も旧が1〜4で現が1〜2だったでしょ。それと同じですよ。足立区千住の丁目数、旧丁目は5で、現丁目は5。いや旧町名じゃないでしょ。全然旧町名をさがす会じゃないわ。旧町名をさがせないならもう解散したら。そもそもそんな組織存在しないし。たまにどうやったら入会できるのかと聞かれことあるけど、ブログ名ですと回答するの割と恥ずかしいでしょ。

 

いやいや、旧町名なんですよ!だってデンリヨクだもの。

デンリヨク。それは、私が勝手にそう名づけているだけのどら焼き型の謎プレート。その正体は、東京電力が検針・集金業務の合理化のために考案した「画標制度」に基づき各戸に設置されたプレート。その名も「画標」。画標制度及び画標に関する詳細は東京電力社史もしくは私の著書「旧町名さがしてみましたin東京」の177ページをご覧くださいですが、この通称デンリヨクがなぜ旧町名であることのエビデンスなのでしょうか。

それは中央に記載されている謎のカタカナ文字こそが旧町名だからなのです。画標が設置された時期が昭和30年代、つまりちょうど住居表示実施前の現・旧町名が旧・現町名時代当時であることからそれ以上でもそれ以下でもなく、旧町名だからなのです。あとは察していただいて差し支えありません。

 

そしてこの旧町名であるというカタカナ文字の特徴として挙げられるのが、2文字〜5文字の文字数制限がある点。全てのデンリヨクがなぜかその文字数の範囲に収まっているのです。したがって、完全に5文字を超える旧町名であろうものなら、容赦なく省略させられてしまいます。この千住のデンリヨクも御多分に洩れず省略させられていますね。しかもよりによって最小数の2文字に。余白ありそうなのにもかかわらず。「センジュ」でも良いにも関わらず。

 

ちなみに、カタカナ文字のもう1つの特徴は、小文字が存在しない世界線を生きている点です。小文字が大文字と同サイズなのです。何なら小文字であろう文字の方が存在感強めのものすらあります。だからこそ、「セン」ではなく「センジユ」であってほしかった。いや、アツテホシカツタ。いや、アカツタ。


[発見日:令和5年1月21日]