【文京区】同心町
【消滅した年】1966(昭和41)年
【現在の町名】春日、小日向
【感想・雑記】江戸時代の職業由来の町名は今でも千代田区の神田駅周辺に残されていますが、文京区にもかつては江戸の職業由来の多くの町名がありました。その1つが今回の同心町です。同心とは与力に所属した下級武士で、幕府御先手組の同心屋敷があったことから明治に入って同心町と名付けられたそうです。先手組とは、与力・同心による弓組と鉄砲組で構成され、江戸城本丸の諸門警備や将軍外出時の警衛にあたった組織です。与力は、奉行などの幹部クラスの手前、いわば係長クラスと言われておりますので、さらにその配下の同心は主任クラスでしょうか。つまり同心町とは江戸の治安維持を担う職の主任クラスの屋敷が立ち並んでいた町、現代に置き換えると警視庁の単身待機寮のようなイメージかもしれません。
春日通り沿いに沿った細長い町域にもかかわらず奇跡的に現存を確認することができました。江戸の香りがする良い町名です。
[発見日:令和3年7月10日]