旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【品川区】大井海岸町


【消滅した年】1964(昭和39)年
【現在の町名】南大井
【感想・雑記】読めなさそうですが心で読むまでもなく、コツさえつかめば意外と読めてしまう。今回はそんな旧町名のご紹介です。大井シリーズの一つではあるものの、立地的にはどうみても大森の方が近いところにあった旧町名です。ちなみにお隣の大井坂下町に至っては完全に大森駅前といえるほどの大田区へのすり寄りっぷりは必見。

今回の旧町名に「海岸」とあるのは、最寄駅である大森海岸駅と同様に昔は目の前が海岸であったからと言われています。海岸と言われていた場所には今は平和島が存在していますので、かつての面影を伺うことは難しいでしょう。

さて、最後に冒頭言及した旧町名を読解する「コツ」についてですが、普段よく使用する手法としては「区」と「町」という文字を意識してさがすというものです。特に「町」の輪郭、具体的には「田」の部分がWindowsのあの窓のロゴのように歪んでいる場合もあったり縦長だったりと中々難しい作業ではありますが、これさえ捉えられればその「区」と「町」を起点として双方の空間は何文字入りそうか、その文字数が対象としている旧町名と一致するかどうかなどを推測し旧町名であると断定することが可能です。

なお、その文字数を推測し断定する上では、先に捉えた「区」と「町」の文字を包含する円の面積に基づいて円がその空間内に何個入るかどうか。そのような緻密な計算の元で旧町名であると断定するに至っております。

とはいうものの、実務上では意外と光の角度で何となく文字を簡易的に推測することができてしまいますので、上記の手法は簡易的な推測が困難な場合に用いられるものと捉えていただければと思います。

ですが一番大事なのは思い込みなんですね。思い込みといっても「旧町名に違いない」という優しいものではなく、「この旧町名は自分に見つかられたがっているに違いない!」などの高次元の思い込み力が要求されるということを認識いただき、日頃の旧町名さがしをお楽しみください。

[発見日:平成22年12月18日]