【消滅した年】1969（昭和44）年
【現在の町名】三田、東麻布
【感想・雑記】駅名にもなっているためか、広尾といえば渋谷区の方が有名ですが、実は港区にも広尾が存在していました。そもそもは現在の両区にまたがる広範囲の町域だったそうで、江戸時代にそれぞれ渋谷広尾町と麻布広尾町に分かれてしまいます。その後は渋谷区広尾の旧町名は「元広尾町」、港区側は「麻布広尾町」と、それぞれの思惑が垣間見えるような気がします。そして、今回ご紹介の旧町名は「麻布新広尾町」は上記した元々に広尾の町域にはまったく入っていません。なのに「広尾」を名乗るとは如何なものかとお思いでしょうが、麻布広尾町の住人が移住して起こった町なので「新」という区別をしているのだそうです。
そしてこの麻布新広尾町の町域がとても面白く、天現寺橋交差点から首都高２号線目黒線と古川、そして明治通りに沿って麻布十番の一の橋交差点にかけて伸びているそれはそれは細長い旧町名です。その細長さそして、明治通りという幹線沿いにありがちな当時の建物無くなりがちという先入観から、どうやら私は熱意を持って探していなかったみたいでした。港区の特に麻布十番付近は何かと旧町名不毛地帯と言われているところですが、諦めるのはまだ早そうです。
［発見日：平成28年9月28日］
