旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【大田区】調布大塚町

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【消滅した年】1970(昭和45)年
【現在の町名】雪谷大塚町、南雪谷
【感想・雑記】中原街道を挟んで雪が谷大塚駅の北側に位置する雪谷大塚町。このいかにも旧町名っぽく、更にはあたかも雪谷◯◯町という雪谷シリーズの旧町名が存在していたかのような町名、実は旧町名は調布◯◯町シリーズの一つ、調布大塚町という名前だったのです。

調布◯◯町という調布シリーズは、調布嶺町や調布鵜の木町などの旧町名が存在し、現在これらの町名は冠の調布が外れた状態で残っています。

一方でこの調布大塚町は、他の調布シリーズのように「大田区大塚」や「大田区大塚町」などではなく、新しく冠を付け替える形を選びました。

おそらく雪が谷大塚駅に合わせたのでしょう。なのに、雪が谷大塚駅の住所は大田区南雪谷。なんでだ。

ちなみの雪が谷大塚という駅名は、雪ヶ谷駅と調布大塚町駅の二駅が合併して誕生した駅名だそうです。それが1943年ですので、雪谷大塚町誕生の32年も前のお話です。

なお、大塚という名前はこの地域にある鵜木大塚古墳に由来しています。大塚から割と離れた場所にある鵜の木の名前が何故付いているのかというと、元々は調布村大字鵜の木字大塚だったのだそうです。池上村大字雪谷に隣接しているにも関わらず遠い遠い調布村の飛地として存在していた大塚が、調布大塚町時代を経て巡り巡って隣の雪谷と一体化して今に至ることに何らかの浪漫を感じずにはいられません。雪谷大塚町は、旧町名っぽい現町名などではなく本来のあるべき姿と言えるのではないでしょうか。

[発見日:令和2年9月5日]