旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【台東区】浅草北清島町


【消滅した年】1965(昭和40)年
【現在の町名】東上野
【雑記・感想】清島町は北と南に分かれていますが、南清島町は見事に1つも残されていません。では北はどうか。お寺の表札や住居表示板の変則系のものなど、わりと幅広く現存が確認されています。その要因としては、元々の町域が広範囲に渡る点と寺院が複数存在する点が挙げられます。というかそれしか考えられねえわけですよ。特に旧町域というのは、わずか数区画の違いが生死を左右させる大変シビアな世界なのです。

「見てみろよあの南側の腑抜けた空き地みてえなツラを。ただでさえちいせぇ町域なのに生産性向上と合理化・効率化の海に侵されたまさに資本主義の犬になっちまった。俺ら北側を見てみな。あちらこちらに残っているぜ。まさにlike a 地上の楽園みたいなもんよ。温水プールだってあるぜ。あいつらはせいぜいビデオ販売店ぐらいだろうよ。えっ?最近潰れてセレモアつくばに成り果てたって?」

北清島町と南清島町。かつてこの両者をつないでいた、ビデオ販売店という名の板門店前に存在した歩道橋という名の38度線が撤去されてからというものの、彼らの交流は途絶えそれがいつしか血で血を洗う争いへと導かれているのであった。それは神の意向なのかはたまた台東区長の執務なのか。

そんな創作もまかりとおりそうな南北間の違いです。北には確かに温水プールがあります。そして道路向かいにはマルエツがそびえ立ち、その間をとうとうこの辺りでは姿を消してしまっている歩道橋a.k.a空中散歩がつないでいる光景をこの北清島町では伺うことができます。
[発見日:平成22年5月8日]