旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【目黒区】高木町

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【消滅した年】1966(昭和41)年
【現在の町名】南
【感想・雑記】大岡山駅洗足駅を下車して北に徒歩約10分程度という閑静な住宅街に、南というたいへんざっくりとした町名があります。目黒区内では確かに南側ではありますが、最南端ではないというこの町名には、3つの旧町名が存在していました。目黒区宮ヶ丘、目黒区富士見台、そして今回の目黒区高木町です。

高木町以外の2つは比較的初期に発見できたものの、高木町だけは探せど探せど見つからずという状況が続いていました。これまでの雑な調査が仇となりとにかく見落としが多いことを思い知らされているこの数年を猛省し、GPS記録という文明の利器をフル活用し入念に調査した結果、無事に生存を確認することができました。さて、先ほど登場した現在の目黒区南の旧町名である宮ヶ丘、富士見台。実はこの高木町とは微妙な関係性が伺えるのは私だけでしょうか。私だけでしょう。それでは高木町と彼らの関係性をみていきたいと思います。

(1)高木町↔︎宮ヶ丘

南の町内には「高木神社」という由緒ある神社が鎮座しています。目黒区の前身である碑衾町当時、このエリアは「子ノ神」という小字が付いていたことからも、昔からこの地を守り続けていたことが伺えます。そんな町の守護神の名前が高木町の由来となっているわけです。しかし残念なことに、高木神社が所在するのは高木町ではなく、宮ヶ丘なのです。町名に宮が付くのはそういうことです。

(2)高木町↔︎富士見台

前述の目黒区の前身である碑衾町は、昭和2年に成立し昭和7年に消滅した自治体です。この消滅までの期間中、耕地整理によって昭和5年に誕生し昭和7年に消滅した町名がいくつかあります。その一つが高木町◯丁目です。2年間のみ高木町は一丁目と二丁目が存在していましたが、目黒区の成立によって高木町一丁目は高木町に。そして高木町二丁目が、富士見台なのです。町名に台が付くのはそういうことです。

この高木町が最後まで発見できなかったのは、周辺の町名との因縁じみた関係性由来の怨念的な何かが理由なのでしょうか。でも今回無事発見できたので成仏できたことでしょうから、これからは仲良くやってもらいたいですね。

(全てフィクションであり実在する町内の関係性とは関係ありません。そして町名は実在しません。)

[発見日:令和3年9月25日]