旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【杉並區】天沼三丁目


【消滅した年】1965(昭和40)年
【現在の町名】本天沼
【感想・雑記】杉並「區」ですし、住居表示実施前のものなのは明らかなのですが、町名としては今も残っているのでこれを旧町名として紹介すべきなのかどうか迷っています。ちなみにこの旧天沼三丁目は、現在の本天沼なのでその視点で考えると立派な旧町名なんですよね。江戸川区小松川の回でもう二度と丁目単位の掘り下げはしないと言ったのに。撤回早すぎ。

ここで疑問なのが、現町名がこの旧三丁目だけ何故「本」天沼なのかという点。
天沼の由来については、wiki曰く、天沼三丁目にあった「弁天池」あるいは「雨水がたまった沼地」と記されています。天沼の由来になった場所だから「本」天沼ということなのでしょうか。

しかし、これはあくまで「現」天沼三丁目の事。つまりこの弁天池説は旧天沼一丁目の話なのです。

では「本」とは一体何なのでしょうか。これは予想であり恐らくフィクションの類としての話です。杉並区天沼になる以前は杉並町大字天沼だったのですが、さらに小字も何種類かありました。その旧天沼三丁目の小字に「本村」というものが存在していたらしく、もしかしたら「本」はそこから来ているのではないでしょうか。なお他には東原、割間という小字がありました。


そのような旧町名かどうかあやふやで且つ広範囲の町域でしたので、今まで完全にスルーしていたエリアでした。この日は、なぜか取りこぼしたままだった杉並区向井町の調査がメインだったのですが、どうしてもこの天沼エリアを横断しないと向井町に行けないものですから意を決して立ち入ったような気がします。不思議なもので、旧町名に対して無欲で通過地点くらいの心境でいた方がサクッと発見できるものなんですよね。

[発見日:平成30年5月27日]