旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【井荻町】下井草


【消滅した年】1932(昭和7)年
【現在の町名】(この事例の場合)杉並区沓掛町→杉並区清水、今川、桃井
【感想・雑記】大丈夫、読める読める!心で読めるよ!心で読めるし肉眼でも読めるよ!

昭和7年の杉並区誕生以前の自治体「井荻町」が残っていました。実は、この沓掛町と同じ場所に残されていたものなんです。7年ほど前これを発見した時には腰を抜かしそうになったくらいの驚きでした。何せ、その当時はまだまだ東京23区当時の昭和40年前後に消滅した旧町名を追いかけていたところでしたので、いきなり東京35區よりも前の時代のものを発見してしまったので。一応同じ月の初めころに、中野区の前身である中野町栄町通というものも発見していたのですが、まさか同じ月に二度もそのような貴重なものに遭遇するとは思いませんでした。そこからですね、◯◯郡とか、東京府とかの旧町名に遭遇できるようになったのは。旧町名さがしにはそういうレベルが上がる的な成長過程でもあるのでしょうか。ロープレか。むしろポケモンGOの方が近いと思う。

ところでこの「井荻町」ですが、なんとわずか10年しか存在しなかった大変貴重なものなのです。杉並区誕生後は杉並区井荻町として「井荻」の名前が残りましたが、「井荻」という町名は現在は存在しません。

一方で「下井草」は、もともとは「下井草村」という自治体として存在していましたが、明治22年に上井草村、上荻窪村、下荻窪村の4村の合併によって「井荻村」が誕生したため自治体名としては消滅。「井草」と「荻窪」の合成による「井荻村」の軍門に下ったのです。その後杉並区誕生によって杉並区下井草町となり、現在もしっかり下井草という名前は残り続けているのです。

[発見日:平成22年11月20日