【消滅した年】1965(昭和40)年
【現在の町名】羽根木
【感想・雑記】〜前回までのあらすじ〜開始10秒で下代田町を発見した私は、二代目桐生を襲名するとともに、その足で次の旧町名をさがす旅に出かけたのであった。気温は28度である
14時10分頃に下代田町を後にしたもののどこに向かおうか正直決まっていませんでした。南に進むと太子堂、そういえば三軒茶屋町がまだ見つかっていなかった。東に行けば池尻町。これも見つかってない。西は若林町。見つけてる。じゃあ北はどうか。代沢、一部の旧町名が北沢。地味すぎるけど、エリア的に東京市世田谷區があるかも。さらに北は、羽根木。羽根木?行ってない。
という葛藤を経て14時20分に羽根木方面へ歩を進めたのです。世田谷区のこの代沢エリアは本当に起伏が激しい。登り坂もすごい。ラージヒルできるわ。k点超えるわ。坂を登りきったと思ったら直ぐに下り坂が用意されていてその先に更に登り坂が。ノーマルヒルできるわ。k点超えるわ。
原田が泣く頃にようやく小田急線辺りまで来たのはいいのですが、ちょうど小田急線が工事中で限られた道からしか線路を越えられない地味なトラップが体力をみるみる奪っていきます。小田急線を越えた先にあるのが京王井の頭線ですがこちらは楽々通過。その後地味な起伏を乗り越えてついに環七までたどり着きました。信号を渡った先に待っていたのが旧羽根木町エリアこと現羽根木です。
この旧「◯◯町」で、現「◯◯」の町だけが無くなるパターン。やり甲斐を感じないからか大体直ぐにみつかるだろうどうせという真剣味に欠ける姿勢で臨んだ結果見つからず、どんどん深みに嵌るパターンが過去に何度もあります。そこで、今回の羽根木には真摯に向き合う気持ちで取り組もうと思い、その場で由来を調べるなどの万全の体制で臨みました。「なになに!生い茂る木に鳥が止まっていたから鳥の羽根と木で羽根木とな!なるほど!本当かよ!」
この謙虚な姿勢が羽根木に受け入れられたのでしょう。
なんと10分ほどであっさり見つかったのです。
それが今回のこれです。この管理が行き届いているかのようなクオリティに世田谷区の文字の向きが逆なのもポイント高いですね。戦前のものと推測されますが、区が「區」ではないんですね。しかしこのクオリティ。おそらくこれは、結果的に残っていたものというよりも、あえて大事に残しているのではないかと思います。たかが「町」の文字の有る無しだけなのですが、この違いを喜ぶ人間もここにいるわけで、とてもありがたいです。
羽根木で感謝の心を取り戻した私が徳をつんだまま次に向かったのは、杉並区でした。
つづく
[発見日:平成30年4月22日]