【消滅した年】1964(昭和39)年
【現在の町名】寿
【感想・雑記】見つけていそうで実は未発見だったのが今回の「浅草寿町」。現在は「寿」のみが現存している明らかに縁起のよい旧町名ですが、この町名の始まりは何と明治3年まで遡ります。それまであった「石濱町」「黒澤町」「真砂町」「福川町」の4つの町名が合わさって「寿町」が誕生したのだそう。
その後はそのまま年月を重ねますが、昭和9年に寿町は周辺の「三間町」「高原町」「新福富町」「森下町」「黒船町」を取り込み「寿町1丁目〜三丁目」に姿を変えることになります。明治期のが初代寿町とした場合、この昭和9年が2代目ですね。
ちなみに初代寿町の位置ですが、2代目寿町では「2丁目」、現在の寿では「3・4丁目の間」あたりとされています。浅草では知らない人に初代寿町の場所を聞かれる機会もあろうかと思いますのでついでに覚えてしまいましょう。
そんなことよりも皆さん恐らく気になっていると思われますのが、先ほど唐突に登場した「黒船町」という文字面のインパクト。ペリーゆかりの地なのかと思いきやそうでも無さげで、オランダ船がここに停泊していただとか、黒船を破壊してその器具をこの地に置いていただとか所説はあるそうですが、少なくとも幕末の例の船とは関係なさそうです。