【消滅した年】1960(昭和35)年
【現在の町名】笹塚
【感想・雑記】幡ヶ谷と笹塚。京王線の隣同士の駅であると同時に隣同士の町名でもあります。両者の力関係は=ではなくどちらかというと笹塚>幡ヶ谷という印象を受けがちですが、かつての笹塚は、幡ヶ谷◯◯町というカテゴリーもしくはジャンルの一つにすぎなかったのです。一方、向こう隣の初台は別の「代々木◯◯町」という派閥に属していました。代々木閥は強大な勢力を誇り、北は代々木山谷町から南は代々木上原町まで、渋谷区中にその名を轟かせていたのです。
ところが、この2大派閥ですが元はといえば「代々幡町」という一つの会派でした。代々幡町、千駄ヶ谷町、渋谷町という三すくみの状態から、町で町を洗う抗争に発展。最終的に渋谷町によって治められ昭和7年に渋谷区が成立し、代々幡町は代々木と幡ヶ谷に分割されてしまったのです。このような悲しい歴史を背景に代々木と幡ヶ谷はそれぞれ独自の発展を遂げ今日に至ります。
そんな妄想はさておき、今回の幡ヶ谷笹塚町です。現時点で全域を探した結果、現存はこれのみです。消滅した時期が住居表示法施行の前後よりもわずかに早い影響かもしれません。
[発見日:平成26年5月17日]