旧町名をさがす会

かつては東京都内に存在し、そして消えてしまった旧町名。 このページは、行政上は消滅したものの、街角で未だに存在を確認することができた旧町名を紹介するものです。

【台東区】浅草永住町

【消滅した年】1964(昭和39)年
【現在の町名】元浅草丁目
【町名の由来】文字通り「永住」から
【雑記・感想】このブログの旧町名由来の引用元で最近頻繁に出てくる「江戸東京残したい地名」。この書籍は、地名研究家の本間信治さんが生前に執筆されたものを再編集したものです。この書籍の内容は、消滅した数多くの都内の旧町名由来について人名や地名、おめでたい地名などの区分ごとにまとめられており、大変読みやすく編集されております。
 さて、今回は別に書籍の紹介ということではございません。今回の「浅草永住町」ですがここは、あの永六輔さんの生家があったところです。では、なんで永六輔さんなのかとい言いますと、先ほどの書籍の帯に永さんが紹介文を書かれているからです。
その文を抜粋しますと「自分の名前の永が入っていることもあって、好きな町名であったが行政の都合で消滅してしまった。」「地名の変遷をたどると庶民と時の権力の歴史をかいま見れる」など、短かくも大変含蓄があり、かつ深みのある文章です。


ただし、本著では浅草永住町の記載はないんですけどね。


ちょっとうそですすみません。正しくは「永住町」として紹介されています。なぜ「浅草」が外れているのかですが、どうやら昭和18年に「浅草區永住町」と「下谷區永住町」に分裂してしまったからだそうです。昭和22年に再合併した際に正式に「永住町」となりましたが、その17年後には「元浅草」になってしまいました。なんてかわいそうな旧町名なのでしょう。

あれ、じゃあなんでこの写真の表札は「台東区」なのに「浅草永住町」なの?まあ、例によって判別しづらい写真なんですけどね。

[発見日:平成22年6月5日]